21 確信度・責任
- 3.8 注釈と索引にある要素noteは,属性typeの値に,確信度を記録することが出 来る.
- 本章で定義されている要素certaintyは,確信度の質や程度を,よ り構造的に記録することが出来る.
- リンクモジュールで定義されている要素altは,16.8 選択にあるよう, 部分テキストの符号化方法を複数ある中から選択できるように出 来る.
- TEIヘダーにある要素titleStmt,editionStmt,revisionDescにある,要素respStmtや,特別な要素(author,sponsor,funder,principalなど)は,責任者を記録する.
- 要素noteは,属性typeの値にresp またはresponsibilityを取ることで,責 任の中身を記録することが出来る.
- 本章で定義されている要素responsは,使用されているタグのそれ ぞれに,責任に関する情報を,詳細な構造で記録することが出来 る.
- » 21.2 責任を示す属性
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21.1 確信度の程度TEI: 確信度の程度¶
- タグが正確に使われているかどうか(例えば,タグが付与され ている単語が,個人名かどうかが分からない時).
- 要素の始まりと終わりの正しさが疑われる場合.
- 属性の値(属性値)が疑われる場合.
- 符号化する人が記録した内容(例えば,要素abbrで 示されている省略語形の展開形)が疑われる場合.
- 元テキストから転記された内容が疑われる場合. 例えば,読むことや聞き取りが難しかったりする場合. この種の不確かさは,11.5.1 Damage, Illegibility, and Supplied Textで解説されている要素unclearで記録することも出来る.
- 数値や日付の確かさ.
- テキスト自体にある曖昧さ. その曖昧さから複数の解釈が生まれる場合.
- 当該テキストが示す真実性に関して,転記者,編集者,著者が 持つ確信度.
- 著者が,段落の開始文を,それが最終稿として相応しいか各章 がない場合.
- » 21.1.2 構造的な確信度の表示法
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21.1.1 確信度の注釈TEI: 確信度の注釈¶
この場合,要素noteを使い,不確かさを記録することが 出来る.Elizabeth went to Essex. She had always liked Essex.
<note type="uncertainty" resp="#MSM">It is not
clear here whether <mentioned>Essex</mentioned>
refers to the place or to the nobleman. -MSM</note>
She had always liked <placeName xml:id="CE-p1b">Essex</placeName>.
<note type="uncertainty" resp="#MSM" target="#CE-p1a #CE-p1b">It
is not clear here whether <mentioned>Essex</mentioned>
refers to the place or to the nobleman. If the latter,
it should be tagged as a personal name. -<name xml:id="MSM">Michael</name>
</note>
この手法の利点は,簡単に記録できることにある. この手法の欠点は,確信度の質や程度を構造的には記録すること が出来ないこと,従って,自動処理には向かないことである.
- « 21.1.1 確信度の注釈
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21.1.2 構造的な確信度の表示法TEI: 構造的な確信度の表示法¶
<placeName xml:id="CE-pl1">Essex</placeName>.
<!-- ... elsewhere in the document ... -->
<certainty target="#CE-pl1" locus="gi">
<desc>possibly not a placename</desc>
</certainty>
<!-- ... --><certainty target="#CE-pl1" locus="gi" degree="0.6"/>
<!-- ... --><certainty target="#CE-pl1" locus="gi" degree="0.6">
<desc>probably a placename, but possibly not</desc>
</certainty>
<certainty
target="#CE-pl1"
locus="gi"
degree="0.4"
assertedValue="persName">
<desc>may refer to the Earl of Essex</desc>
</certainty>
She had always liked <placeName xml:id="CE-PL2">Essex</placeName>.
<!-- ... -->
<!-- 60% chance that P1 is a placename, 40% chance a personal name. -->
<certainty
xml:id="cert-1"
target="#CE-PL1"
locus="gi"
degree="0.6">
<desc>probably a placename, but possibly not"</desc>
</certainty>
<certainty
xml:id="cert-2"
target="#CE-PL1"
locus="gi"
assertedValue="persName"
degree="0.4">
<desc>may refer to the Earl of Essex"</desc>
</certainty>
<!-- 60% chance that P2 is a placename,
40% chance a personal name.
100% chance that it agrees with P1. -->
<certainty
target="#CE-PL2"
locus="gi"
given="#cert-1"
degree="1.0">
<desc>if P1 is a placename, P2 certainly is"</desc>
</certainty>
<certainty
target="#CE-PL2"
locus="gi"
assertedValue="persName"
degree="1.0"
given="#cert-2">
<desc>if p1 refers to the Earl of Essex, so does P2</desc>
</certainty>
<certainty
xml:id="cert1"
target="#CE-p2"
locus="gi"
degree="0.6"/>
<certainty
target="#CE-p2"
locus="startLoc"
given="#cert1"
degree="0.9"/>
<certainty
xml:id="cert2"
target="#CE-p2"
locus="gi"
assertedValue="persName"
degree="0.4"/>
<certainty
target="#CE-p2"
locus="startLoc"
given="#cert2"
degree="0.5"/>
<certainty
xml:id="cert3"
target="#CE-p2"
locus="startLoc"
assertedValue="CE-a1"
given="#cert1"
degree="0.5"/>
Earnest went to old <placeName>Saybrook</placeName>. (0.4 * 0.5, or 0.20)
Earnest went to <placeName>old Saybrook</placeName>. (0.4 * 0.5, or 0.20)
<certainty target="#CE-u1" locus="att.who" degree="0.5"/>
<certainty target="#CE-p3" locus="transcribedContent" degree="0.5"/>
<choice>
<expan xml:id="CE-e1">Standard
Generalized Markup Language</expan>
<expan xml:id="CE-e4">Some Grandiose Methodology for Losers</expan>
<abbr>SGML</abbr>
</choice>...
<!-- ... -->
<certainty target="#CE-e1" locus="suppliedContent" degree="0.9"/>
<certainty
target="#CE-P3"
locus="transcribedContent"
assertedValue="gun"
degree="0.8">
<desc>a gun makes more sense in a holdup</desc>
</certainty>
要素certaintyや,確信度を示す他のTEIの機 能では,記録の複雑さの程度は,変えることが出来る. 確信度を簡単に記録したいのであれば,要素noteを使 うことができる. この要素は,確信度を,自由度が高く,内部に文書構造を使わず に記録することも,また,複雑で構造的な,場合によっては,プ ロジェクトに特化した方法で記録することも可能である. 但し,一般に,要素noteには,特別な準備をしなければ,要素 certaintyと同じ記述能力はない. 従って,確信度が,高度に構造化されている情報である場合に は,要素certaintyを使うことが推奨される.
要素certaintyは,確信度を明示し ない場合にも使うことができる. この場合は,属性locusと属性targetのみが付与されることになる. より複雑なケースでは,詳細な情報を,他の属性で記録すること も出来る. 属性には,任意の文字列を属性値として取ることが出来るが,出 来る限り,推奨値を使うべきである. もし,現場で必要とする適切な値が推奨値になければ,符号化す る人は,自らが規定した統制語彙を,TEIヘダーにある要素encodingDescまたは要素tagUsageに記録すべきである.
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- » 21.3 確信度モジュール
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21.2 責任を示す属性TEI: 責任を示す属性¶
一般に,転記することやマークアップそのものの責任について は,TEIヘダー中の要素respStmtに記録される. 特に,タイトルステートメント,版ステートメント,改訂解説中に 記録される.
- respons ある要素の決定に責任のある個人を特定する.
<!-- ... -->
<respons target="#CE-p5" locus="transcribedContent" resp="#RC"/>
<respons target="#CE-p5" locus="gi location" resp="#PMWR"/>
<list type="encoders">
<item xml:id="PMWR"/>
<item xml:id="RC"/>
</list>
要素によっては,属性respまたはagentを取ることが出来る. これにより,要素毎に異なる意味を記録することが出来る. 要素responsは,責任表のための,一般的なよ そとして使われるべきであり,特定の意味を記録する要素とは,分 けておくべきである.
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